パウエル湖

  • 場所は全体マップ左側の大きな岩の頂上。
    ロープが張ってある点の辺りに、目立たないが手をかけて登れるポイントがある。
    登っていくと天辺に置いてある。

輝きの市場の北で発見


音声:

11日目。ここで死のうとした。
でも俺はオーバードーズする代わりに、散歩に出ることにしたんだ。
ここで突っ立ってたらある考えを思いついた。
やらずにはいられない、最高のアイデア。

テキスト:

母さん、

災禍について知った後に、クスリ満載のダッフルバッグを抱えてここに来た。
簡単な計画だ。
何日かかけてハイになったうえで、オーバーキャストを過剰摂取するだけだ。

母さんの沈黙を助け、教唆したワイアットにまだ憤慨していたんだろう。
計画どおりにいけば俺の死体は彼のコテージで時間をかけて腐っていき、床からはがすだけでも汚染除去ボットを借りることになると考えた。
死して白骨の中指を立ててやる。

だがそうはならなかった。どうしてだか、ハイになる前に散歩に出たんだった。

岸辺をトボトボと進みながら、何度もここで母さんと歩いたり話したりしたことを思い出していた。歳を経て変わっていく俺と、変わらない母さん。
高校生の俺が飛び級の講義についてしゃべったり、大学生の俺が教授たちの裏話をしたり、FASのエンジニアの俺が積載効率について講釈を垂れ、母さんはいつもそこにいて、いつも聞いていて、いつも聞いていて、いつも面白がってくれて。
そしてもちろん、応援して、背中を押してくれた。先へ、上へ…

でも今の俺は落ちこぼれとして一人で浜辺にいた。
周囲では子供たちがプレイスポットを追って砂の上を駆けまわり、日光浴を楽しむ客がいて、水をかけ合ったり旧式のボートで左右したり。
いずれ自分たちを貪り食う恐怖の機械はどこ吹く風だ。
陽の当たる一瞬一瞬。だが先にあるのは悲劇だけで、何も残らない。

あんなにも愛情と信頼をもらって、俺が進めるように多大な犠牲を払い…
その結果がこれか?無意味だ。高すぎる代償の果てが。
さようならさえ言えなかったなんて。~
でも俺が仮に落ちこぼれずに「成功」し続けてたとして、そのほうがマシだったのか?
俺がFASで出世しようと必死になっている間も、あの会社の軍事部門は世界を滅亡させる技術を生み出していたんだ。俺たちは同じ主人に仕えていた。

成功は先のない梯子だった。
ずり落ちてヴァンテージプロジェクトに行き着いただけで、それはわかった。

何故かはわからないけど、この砂浜に立つまではその皮肉な構図に気づかなかった。

失敗してヴァンテージに、放棄されたタイムカプセル計画に配属されなければ、世界の終わりについて知ることもなかったんだと。

皮肉というより宇宙レベルの冗談か?

だとしたらどうしてあの時、何かが降って来たかのように確信したのだろう。

技術を使える立場にある。やれると思った。

そりゃあ、結局は終わりが来るんだろう、万物と同じで。
でも5万年、もしくはそれ以上に渡り、俺が残したデータはそこにあり続けるわけだ。

大したことじゃないかもしれない、でも意味がないわけでもない。

コテージに戻り、クスリを隠し、オートバーンを呼んで市内に出た。
世界滅亡ツアーをやるならスタイリッシュにいこうと思い、サバラをレンタルしてFASまで乗っていった。
ラボに入り込み、ヴァンテージスパイク12本を「試験用」として持ち出して、サバラのトランクに入れた。そこからは…話してきたとおりだ。

あれから2週間経ってないのに、永遠のように感じる。

ツアーに繰り出した時は、終わったらここに戻って予定通りハイになって死のうと思ってた。でも戻って最初にやったのは、クスリを全部灰にすることだ。
給料2.5ヶ月分を丸々。我を失うにも別の方法を探さないと。

どうやって死ぬかは決めてないけど、手段は選ばないとね。
母さんが俺の中毒をどう思ってたかはわかってる。
何がどうなってもこれだけは約束する。きれいな体で死ぬよ。

もう1本だけスパイクを埋めないと。ツアーの最後の目的地だ。

それじゃ向こうで会おう。

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Last-modified: 2017-05-20 (土) 13:34:34 (669d)